皆さん、こんにちはかもめ(@kamomeNo3885)です。
今日は2021年10月10日。ここJR三ノ宮駅から出発します。
JR三ノ宮駅は神戸の中心となる駅。
逆に神戸駅は一昔前までは神戸市の中心駅でしたが、今は三ノ宮駅の格下に成り下がっています。ほとんどの特急も神戸駅を通過します。
さらに別に兵庫駅というものもありますが、兵庫駅は新快速すら停まらない駅です。
神戸の駅は兵庫、神戸と色々とややこしいですが、三ノ宮駅が最も大きい中心駅です覚えておきましょう。
(JR三ノ宮駅から西に元町、神戸、兵庫と駅が続きます)
ちなみに神戸の中心地だけあって三ノ宮駅はいくつかあります。
阪急三宮駅、阪神三宮駅、地下鉄三宮駅、ポートライナー三宮駅、それにこのJRの三ノ宮駅です。
しかしカタカナの「ノ」が入るのはJRの三ノ宮駅のみこれは覚えておくと色々便利でしょう。
なぜなら、乗り換え案内の時に「ノ」を入れるだけでJR三ノ宮駅を指定することができるからです。
でも、カタカナの「ノ」が入るのはJRだけやで!
さて、私が今から向かうのは元町駅。三ノ宮駅から西に1駅行ったところが元町駅です。
元町駅には普通もしくは快速列車しか止まりませんから、乗るのは
・姫路行き快速
・網干行き快速
・西明石行き普通
の3通りといったところでしょうか?
さて、これから乗車するのは新快速米原行き。
逆です
皆さんをこれから1駅3時間半の大回り乗車の旅にお連れします。
↓三ノ宮駅の位置関係
そもそも大回り乗車って何
大回り乗車とは大都市近郊区間内から乗って、降りる場合に限り経路に関係なく最も安い運賃を適用するというルールを逆手にとった乗り方です。
例えば山手線の場合、東京から有楽町までは1駅136円ですが、神田ー秋葉原とグルっと一周して有楽町に行っても136円なのです。
これは大都市近郊区間内であればどこから乗っても、どこへ行くにもこのルールが適用されます。
大都市近郊区間とは鉄道網が多く、1か所の目的地に対して複数通りの行き方が想定されるような区間に対して設定されています。
具体的には東京、大阪、新潟、仙台、福岡の5か所に大都市近郊区間が設定されています。
今回は三ノ宮駅から元町駅までの1駅間を宝塚線、加古川線経由でぐるっと一周して行きたいと思います。
第1走者 新快速米原行き
さて先述したように三宮からの第1走者は新快速米原行きです。この列車で2つ目の停車駅であるの尼崎まで向かいます。
三ノ宮を出ると新快速列車はすぐに持ち前の時速120km、130kmといった高速運転を始めます。
三ノ宮の次に停車する駅は高級住宅街で有名な芦屋駅。芦屋の次が尼崎です。
高級住宅街おしゃれな街芦屋の次が尼崎ってすごいですよね(笑)
第2走者 区間快速 篠山口行き
尼崎駅まではJR東海道本線(愛称神戸線)を走りましたが、尼崎駅からはJR宝塚線に入ります。
第2走者は区間快速篠山口行き。
これは名前の通り宝塚や三田の方を経て篠山口という駅まで行く列車です。
尼崎駅を出るとすぐに東海道本線から別れ高架を登って宝塚線に入ります。
地図を見るとわかるように東海道本線に対してはグループ大きくカーブを描いて別れて行きます。
ここがまさに昔福知山線の脱線事故が起こったカーブです。
宝塚線では最後尾の乗務員室に車掌が乗っているのですが、未だに時間があると車掌がここで目をつぶり黙祷を捧げているのが分かります。まさにJR西の社内でもう風化させないという意識が伝わってきます。
きのう尼崎から塚口に向かうJR福知山線の電車の中で、2005年の事故現場を通過する際に車掌さんが深々と腰を折り黙祷されていた。
会社の方針なのか自発的なものなのか、旅行客である私にはわからなかったが、ぜひ続けていただきたい立派な行いだと思って見ていた。
— ts (@b4t6cp8x) August 11, 2019
この列車は区間快速ですので通過してしまいますが、尼崎から宝塚線に入って次の駅が塚口駅。
JR最長大回り乗車の出発駅として有名な駅です。その最長大回り乗車は19時間かかります。
つまり改札内に1度入ってしまうと19時間改札外には出れないということ。
この区間快速は尼崎を出発すると次の停車駅は伊丹駅。空港があることで有名な駅です。
川西池田駅を過ぎると大きく見しに90度カーブ。阪急宝塚線に沿って走るようになり阪急線と一緒に宝塚駅に入ります。
JRは地上区間をゴトゴト走るのに対し阪急電車は高規格な高架路線をずっと走って行きます。この辺になると阪急列車はおしゃれで高規格でいいな羨ましいなと感じます。
また私鉄らしく駅間が短いのも特徴です。
ところでJR福知山線とJR宝塚線の違いをご存知ですか。
これは正式名称と相性の違いです。JR西日本は各路線の正式名称とは別に愛称を設定することがよくあります。
例えば神戸駅から東京の新橋駅までは東海道本線とされていますが、JR西日本が管轄している区間では神戸駅から大阪駅までを「神戸線」、大阪駅から京都駅までを「京都線」、京都駅から米原駅までを「琵琶湖線」と名付けています。反対にJR東海は愛称を嫌うことが知られています。京都駅の例を見てみましょう。
京都駅は在来線はJR西日本の管轄、新幹線はJR東海の管轄となっています。
新幹線に乗車し京都駅に着く際の車内アナウンスは「まもなく京都です東海道線、山陰線、湖西線(以下略)はお乗り換えです。」とアナウンスされのに対し在来線では「神戸線、京都線、嵯峨野線、湖西線はお乗り換えです」と言った風に案内します。
福知山線と宝塚線もこの正式名称と愛称の関係です。
そのため尼崎駅から福知山駅までは福知山線とされているのですが、JR西日本ではアーバンネットワークとなる大阪駅ー尼崎駅ー篠山口駅までを宝塚線として愛称を設定しています。
そのためあの痛々しい脱線事故があった際もニュースではJR宝塚線の脱線事故とは言わずに、JR福知山線の脱線事故と言っていました。これは正式名称に則った言い方なのです。
第3走者 普通 福知山行き
アーバンネットワークが篠山口駅で終わるのに従って列車の運転形態と篠山口駅から先で変わることが多いです。
実際に私が乗ってきた列車も篠山口駅止まりでした。
ここからはすぐの接続で普通福知山駅が出発します。アーバンネットワークつまり大阪への通勤圏が篠山口駅で途切れたことに従い、ここから先の列車はわずか2両のワンマン列車となりました。それくらい利用者の少ない区間をこれから走っていくということになります。
この列車は京都府の福知山駅まで向かう福知山行きですが私は途中の谷川という駅で下車します。
谷川駅のひとつ前の下滝駅の付近では列車進行右側に美しい渓谷の景色を見ることができます。
第4走者 普通 西脇市行き
谷川駅からは加古川線に入ります。
加古川線は大都市近郊区間に含まれているとは思えないほどの列車本数の少なさです。大回り乗車をする際はこのダイヤがボトルネックとなります。
私も福知山行きの普通列車を降りてから加古川線の出発まで30分弱谷川駅で待つことになりました。
まず乗車する列車は西脇市行き。途中の西脇市という駅まで進みます。
加古川線の進行右手にはこれからずっと加古川が流れることになります。この加古川線はこの加古川が作った谷に沿って走っていくことになります。
途中日本のへそ公園という駅があります。
名前の由来はちょうどキリのいい東経135、北緯35°の交点がちょうどこの付近で交差するから。
日本の中心と言っていないのは揚げ足取りな人間が人口分布がどうかとかいちいちイチャモンをつけるから「へそ」という表現で濁したのでしょう。
大正時代に陸軍が測量をして建てた碑を列車の進行を右手に見ることができます。
時代が下って平成時代。GPSで測量したところここから400m離れたところに本当の交点があると明らかにされたことで列車進行左手の山の少し登ったところに平成のへそを見ることができます。
ところで平日わずか6本しかないこんな田舎の路線「加古川線」がなぜ電化されているのでしょう?
それは阪神淡路大震災の際に迂回路としての重要性を見出されたからです。
阪神淡路大震災が起こった際は六甲駅がペシャンコになったことが有名なように、神戸と大阪の鉄道網が完全に寸断されました。
しかし、尼崎駅から福知山線、加古川線を迂回して加古川に至ることで姫路方面や明石方面への迂回路がとれるようになります。
つまり、今回私が乗っている大回りルートは阪神淡路大震災が起こった際の物流の迂回ルートをたどる旅でもあるのです。
第5走者 普通 加古川行き
さて西脇市駅からはすぐの接続で加古川駅の普通列車に乗り換えます。
西脇市駅から先は加古川が近づいてくるにあたってそれなりに乗車の多い間です。列車も1両の125系クロスシートから2両の103系ロングシートに変わります。
ところで今乗っている加古川線ですが、昔は播州鉄道という施設が管理していた路線であり、さらに支線として鍛冶屋線という路線がありました。
さらに途中粟生駅に停車しますがこれは神戸電鉄粟生駅との乗換駅となっています。
第6走者 新快速 神戸行き
西脇市駅から40分程度で加古川駅に到着。
加古川駅は山陽本線(愛称:神戸線)の駅で新快速も止まる大きな駅です。
加古川駅では加古川線から乗り換える際に中間改札があります。つまり、加古川線から駅の外に出るにしろ山陽本線の列車に乗り換えるにしろ一度改札を通る必要があるのです。
加古川線で加古川まで来て下車する際は改札を2度通ることになります。
私はこのまま山陽本線の列車に乗り換えますから1会だけ改札(中間改札)を通ることになります。
しかし、私が持っているきっぷは三ノ宮駅から元町駅までの130円のきっぷ。当然乗車した三宮から加古川駅まで130円でくることはできません。そのため自動改札機に通してしまうと弾かれてしまいます。
そのため隣の有人改札で駅員さんに事情を説明して通してもらう必要があります。
こんな鉄道会社の運賃規則の重箱の隅をつついたような大回り乗車という遊びをしているのですが嫌な目は向けられないでしょうか…
私「大回りです」
駅員「はい、どうそー」
駅員さんは慣れている様子で大回りですと説明すると快く通してくれました。
しかし国鉄時代は国鉄からしてもこの大回りができてしまうのは恥の極みだったようで、大回りで旅行しようもんならかなり嫌な目で見られていたそうです。
大回り乗車では改札の外に出ることができません。そのため改札内にあるコンビニや食堂は非常に貴重になります。
私が今回旅行しているルートならばまず尼崎駅にコンビニがあります。立ち食いそば屋もあります。
そしてこの加古川駅にも立ち食いそば屋があります。
もとい、この店舗では座って食べることができます。
それは「まねき食堂」という蕎麦屋で姫路駅の有名なあの「まねきのえきそば」と同じお店です。
改札内にあり、ゆっくりカウンターで座って食べることができるので私はこちらのお店の方が好きです。
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また改札内にセブンイレブンもあります。大回り乗車する際は改札外に出ることができないので、飲み物や食べ物が買えるポイントはしっかり押さえておきましょう。
さてここからは一気に新快速列車で神戸駅を目指します。
今までほぼローカル線の様子をの加古川線でガタンゴトンとゆっくり来たので新快速がとても早く感じます。
たった2、3時間前に乗ったばかりの新快速ですがやはり目が慣れていないためかそれはそれは早く感じたものです。
第7走者 快速 米原行き?
さて神戸駅に到着。
この神戸駅のお隣が元町駅ですが、元町は新快速が停車しないため一旦神戸駅で下車し、後から追いかけてきた快速に乗り換えます。
この辺のアーバンネットワークの緩急接続(新快速と快速もしくは普通列車の接続)はかなり上手く図られており、新快速から降りるとすぐに3分程で快速列車や普通列車が滑り込んでくるようになっています。
さて三ノ宮駅を出てから3時間半。隣の元町駅に到着です。
普通に自動券売機で買ったオレンジ色の細長いきっぷは改札に通すことができます。
3時間半もかけてぐるっと回って来たのに130円のきっぷが普通に使えるのは何だか変な感じがします。
今回は三ノ宮駅から元町駅までの1km足らずの範囲を3時間半かけて大回り乗車してみました。
別の記事では大阪駅から新大阪駅までの1駅間を10時間程度かけて長大な大回りをする記事も書いていますのであわせてご覧ください。
大回り乗車は乗り鉄や暇人のすることのように見えますが、意外と景色が変わっていく様子が見れて楽しいですよ。
列車の中では本を読んでもいいし昼寝してもいいです。