注目キーワード
  1. 青春18きっぷ
  2. 乗車記
  3. 関西地方

なぜさくらとみずほの指定席は快適なのか?新幹線の地域間需要の差から考察

※山陽新幹線:博多―新大阪の区間の新幹線。JR西日本が管轄する

※東海道新幹線:新大阪-東京の区間の新幹線。JR東海が管轄する。

皆さんなぜ新幹線のみずほやさくらは指定席が豪華なのか知っていますか?

山陽新幹線の博多-新大阪の区間には5つの種類の列車が走っています。

  • のぞみ
  • ひかり
  • こだま
  • みずほ
  • さくら

の5種類です。

速さの順(停車駅の少ない順)で並べると

のぞみ=みずほ>ひかり=さくら>こだま

となります。

また、このうちみずほとさくらは九州新幹線に直通して鹿児島中央駅まで向かうものがあります。

その代わり東側の終着は新大阪です。新大阪駅から先には行けません。

反面のぞみ・ひかり・こだまは山陽新幹線と東海道新幹線の区間のみ走るために西の終着は博多、東の終着は東京ということになっています。

とはいえ各駅停車のこだま号は山陽・東海道各区間内で完結するということになっているため、JR西日本の運行するこだま号は博多から新大阪までしか行けません。東海道新幹線の区間は別で新大阪-東京間のこだまが運行されています。

ところで九州新幹線に直通するみずほやさくらは指定席が少し豪華になっているのをご存じでしょうか。

新幹線の座席と言うと2列×3列の配置が一般的ですがグリーン車となると2×2列の配列になります。

山陽・東海道新幹線に使われるのぞみ・ひかり・こだまの座席(N700S) 指定席・自由席は2×3の配置
山陽・東海道新幹線に使われるのぞみ・ひかり・こだまの座席(N700S) グリーン席は2×2の配置

しかしみずほ号やさくら号は指定席を予約すると2×2の配列、つまりグリーン車同等の広々空間が確保できるのです。

一方で自由席は通常通りに2×3の配置となっています。

つまりみずほやさくらに乗る際はできるだけ指定席を取るとお得です。

九州新幹線に直通するみずほやさくらの座席(指定席)
九州新幹線に直通するみずほやさくらの座席(自由席)

なぜみずほ号やさくら号だけが指定席が2×2の豪華な配列になっているのでしょうか。

それには二つの理由があります。

山陽新幹線と東海道新幹線の性格の違い

JR西日本が管轄する新大阪-博多間の山陽新幹線とJR東海が管轄する新大阪-東京間の東海道新幹線はかなり性格が異なります。

どういうことかと言うとJR東海の東海道新幹線はビジネス特急の性格が大きいのに対し、JR西日本の山陽新幹線は観光や行楽の特急という性格が強いです。

それは両者のテレビCMを見ても一目瞭然です。

山陽新幹線(JR西日本)のテレビCM。子供の行楽をターゲットにしたCM。
東海道新幹線(JR東海)のCM。ビジネスマンの出張をターゲットにしたCM。

また旅客事業も大幅に異なります。

JR東海が東海道新幹線の輸送密度を公開していないため正確な数字はわかりませんが、明らかにJR東海の新大阪-東京間の方が需要が大きいです。

これはJR東海の旅客収入の9割を東海道新幹線が占めるといったことからもわかります。東海道新幹線はドル箱路線なのです。

反面新大阪-博多間の山陽新幹線となると需要も減ります。そのため一本の列車で大量の人を輸送する必要がなくなるため座席を間引いて2×2の広々空間が提供できるのです。

航空便との競争(vs福岡空港)

もう一つの理由は航空便との競争です。

山陽新幹線は博多と新大阪を結ぶため関西から九州に行くという人に対して航空機との熾烈な競争があります。

新大阪から博多駅までは最も早いみずほやのぞみで2時間半程度。

人の移動の需要が航空機にシフトするのは4時間の壁と言われています。すなわち4時間を超えるようになると航空機に客を奪われてしまうということです。

2時間半ならば圧倒的に新幹線の勝ちと言いたいところですが、九州の玄関口福岡には福岡空港という無敵な空港があります。

通常空港と言うと市街地から離れたところに建設してあり、関西空港などは大阪の中心梅田まで列車で1時間というところにありますが、なんと福岡空港は地下鉄でわずか所要時間10分以内で博多駅についてしまうのです。

こんな立地のいい空港があれば福岡空港を利用しない手はありません。

そのためいくら4時間の壁を切っていても人が航空便に流れやすいのです。

それに対抗するために座席を少し豪華にして新幹線の良いところをアピールしていると言われています。

さて普通ののぞみ号ひかり号、こだま号であればグリーン車に座らないと2×2の座席配列は得られませんが、みずほやさくらは指定席で得られます。

ではグリーン車はどうなっているのかと言うと2×2の配列はもちろんフットレストまでついています。

フットレストというのはレッグレストとは別で膝の下から持ち上がってくるような座席のこと。これがあるだけでリクライニングしたときの快適さが全然違います。

みずほやさくらのグリーン車。座席下にレッグレストが付いている。

一方でグリーン車は1両の半室構造となっているためそれなりに混雑しやすいのがデメリットです。

16両編成ののぞみとひかりの場合そのうち3両がグリーン車となっているのですが、8用編成しかないみずほやさくらのグリーン車は6号車のそのうち半分だけとなっています

グリーン車の割合がかなり少なく座席も24席しかないため繁忙期などはすぐに混雑してしまいます。

私はグリーン料金の半分ぐらいは空いている座席に座ることに払っていると思っているため、混雑時期はあえて避けた方がいいかもしれません。

色々と薀蓄を垂れてきましたが皆さんに覚えてほしいことは一つだけ。

みずほやさくらに乗る時は指定席料金700円をケチらずに指定席に座ろう!

最新情報をチェックしよう!