・名古屋には癖の強い鉄道がいっぱい!
・バスがレールのある高架を走る!?でも、停留所は駅扱い!→ゆとりーとライン
・環状じゃないのに環状線⁉→愛知環状鉄道
・車体も存在も浮いてる?→リニモ
・大都会を走る1両のディーゼルカー→城北線
青春18きっぷを用いて大阪から紀勢本線を紀伊半島に沿って乗り通し(厳密には亀山まで行ってませんが)、昨日はここ名古屋のホテルにチェックインしたところで終了しました。
今日は名古屋駅から名古屋のおもしろ鉄道を乗り回したいと思います。
名古屋には面白い鉄道がたくさんあります。
城北線、ゆとりーとライン、リニモ、愛知環状鉄道などがそれにあたります。
今日はこれら全てに乗ってみたいと思います。
今日の予定はこのようになっています。
かなり乗り継ぎも良い予定になっているので名古屋の面白いこれらの鉄道に乗ってみたい方は参考にされると良いかもしれません。
そういえば余談ですが、こちらの標識が面白くて写真を撮ってしまいました。
後ろの建物は「名鉄」と書いてあるのですが、信号機に書いてある標識には「近鉄駅前」と書かれています。
確かに近鉄と名鉄は実は壁一枚隔てて隣り合っているのでほぼ同じ場所なのですが絶妙にビルの名前と看板が異なっていて面白かったです。
第1弾 ゆとりーとライン
さて、早速10時前に名古屋のホテルをチェックアウトして青春18きっぷにハンコを入れてもらいまずJR東海の中央本線に乗ります。
中央本線に乗車し降りたのは名古屋から10分ちょっとで着くここ大曽根駅。大曽根駅からはゆとりーとラインという鉄道が分岐しています。
ストリートラインは鉄道というよりもバスと言った方がいいかもしれません。
具体的にはガイドウェイバスと呼ばれる新交通システムです。つべこべ言うよりまず見てもらった方が良いでしょうこちらです。
このように新都市交通システムのような高架の上をバスが走っています。
このバスはガイド輪と呼ばれるタイヤを両サイドに備えており壁に押し付けながら走って行きます。そのため高架を走っている間は運転手はハンドルを握ることなくアクセルとブレーキだけで操作することができるようになっています。
さらにこのガイドウェイバスが面白いところはここから降りたら通常の路線バスとしても機能するところ。
ここ大曽根駅から小幡緑地という駅までは高架な上を走る鉄道という扱いになっていますが、小幡緑地から先は高架を降りて通常の路線バスとして走っていきます。当然両サイドにあるガイド輪も危ないためその際は収納されています。
乗ってみると単なるバスとしか感じません。そのバスがこのような立派な高架の上を走っていくのだから車窓は違和感を感じるものでした。
大曽根駅の一端はこのように車両折り返しのための敷地になっており、バスはここで折り返し運転を行うようです。
運賃に関してですが高架区間と通常の道路区間では管理会社が違うようで、この区間と道路の区間を通しで乗るようにすると初乗り運賃を2回支払うことになります。最初の3駅くらいまでは乗り継ぎ割引が適用されるそうですが、それでも道路区間に入ってしまうと運賃が一気に上がります。
このゆとりーとラインは中央本線大曽根駅から高蔵寺駅までを結んでいます。(最長区間での話)
全部乗り通した場合の大曽根駅から高蔵寺駅までの所要時間は45分運賃は440円となっています。大して中央本線に乗車した場合は大曽根駅から高蔵寺駅までは12分で運賃は240円。ゆとりーとラインの完敗です。
しかし45分間もんこのような面白い交通システムに乗れて440円ならば私は安いと感じました。とはいえ緑地公園から先はただの路線バスなんですがね。。。
大曽根駅と高蔵寺駅を結ぶ路線というよりは途中の需要をポツポツ拾って行き中央本線に乗客を流すような役割をしていると言えるでしょう。
しかし当然バスのデメリットを受けることになってしまいます。
私は先ほどのExcelファイルで示したような行程をとっていたのですが道路区間で渋滞に巻き込まれてしまい高蔵寺駅11時27分発の愛知環状鉄道には間に合いませんでした。
第2弾 愛知環状鉄道
次は愛知環状鉄道で八草駅まで向かいます。
この愛知環状鉄道は先ほどのゆくりーとラインほどの癖が強い鉄道ではないですが名前がなかなか癖の強い鉄道です。それは路線図を見ると分かります。愛知環状鉄道を名乗っておきながら路線図は全然環状ではないのです。
このようなネーミングになった背景は後で乗る城北線に関連した岡多線や瀬戸線の計画が絡んでいるそうですがなぜ環状というネーミングになっているのかいまいち分かりませんでした。(誰か知ってたら教えてください。。。)
と思ってたらヤフー知恵袋に解説がありました。本来は環状になる計画だったようです。
愛知環状鉄道って環状線で無いのに、なぜ「環状」が付いてるんでしょう? 愛知環状鉄道って環状線で無いのに、なぜ「環状」が付…
愛知環状鉄道は先ほど書いたように岡多線や瀬戸線の計画使用されていた線路をそのまま使っている形の鉄道会社です。
岡多線や瀬戸線は貨物列車に名古屋駅を迂回させる為に最近になって作られた線路。そのため高規格で高架の上を高速で走ることができます。愛知環状鉄道もほぼ高架区間でかなり良いスピードで走って行きます。愛知環状鉄道はJJR中央本線の高蔵寺駅から東海道本線の岡崎駅まで行っています。私は八草駅で下車しましたが高蔵寺駅から八草駅までは約15分程度で到着します。
第3弾 リニモ
さてこの八草駅から乗車するのはリニモです。
リニモは名前から想像できるようにリニアモーターカーと同様磁力で浮上して走る鉄道です。しかしながら、現在JR東海が開発しているリニアモーターカーとは浮上原理が違うそうです。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
さてこのリニモですが磁力で走るため本当に静かで揺れが少ないです。
さらに無人運転しているため前面に人がおらず綺麗な前面展望を楽しむことができます。こちらのリニモもかなり高い高架区間を走っていき、さらに車内乗務員さんがいないためちょっとした心細さや冒険感を感じることができとても楽しかったです。
このリニモは先ほど下車した愛知環状鉄道の八草駅から地下鉄東山線の藤が丘駅まで伸びています。
時間にしてわずか17分の乗車で運賃は380円です。
かなり運賃が高いように感じますがこれはリニモが建設された経緯に由来します。
このリニモは途中で愛地球博記念公園という駅に停車するのですが、駅の名前から分かる通りリニモ愛地球博を記念して開通した新都市交通システムです。
愛地球博が環境にやさしいをテーマにしているのに対しバスや既存の鉄道でお客さんを運んでいてはテーマに反するからなのでしょう。そのためこのリニモは通常の輸送手段というよりは1つのアトラクション的な側面で建設された経緯が強いです。そのため運賃も高額になってしまっています。
アトラクションとして考えれば決して高くはない運賃なのですが交通手段として考えるとちょっと高いですね。
第4弾 城北線
さて終点の藤が丘駅でリニモ下車するとそのまま地下鉄東山線でJR中央本線の千種駅に向かいます。
JR線に入ってしまえばはこっちのもの。
朝一番にハンコを押してもらった青春18きっぷで次は勝川駅に向かいます。
千種駅から勝川駅までは2、3駅だったでしょうか。時間にして8分で到着しました。
なおゆとりーとラインが渋滞に巻き込まれたため、先ほどのエクセルファイルに書いてあるような時間の乗り継ぎができていなかったのですが、地下鉄東山線とJR中央本線乗り換えがうまくいきここから予定通りの予定に復帰することができました。勝川駅では30分程度次の列車にもで時間があります。
勝川駅に隣接しているトップバリュで昼食を買って時間をつぶします。
さてこの勝川駅からはもう一つの鉄道が分岐しています。それを城北線と言います。
城北線という名前ですがJR東海の子会社である東海交通事業という会社が運営しています。
城北線の設立経緯はかなり複雑です。
城北線の設立経緯について
名古屋駅を走っているJR東海道本線には多数の貨物列車も行き来します。
名古屋駅の近くには貨物列車のターミナルである名古屋貨物駅が存在します。しかし東海道本線の東京方面や関西本線から入って来た貨物列車は直接名古屋貨物駅に行くことはできず名古屋駅を一旦通り越して稲沢操車場でUターン。その後に名古屋貨物駅に入る必要があるのです。
ただでさえ旅客列車の発着が多い大ターミナルである名古屋駅に貨物列車が2回も走るのはかなり邪魔です。
そのため貨物の迂回路として建設が計画されていたのが岡多線や瀬戸線と呼ばれる線路です。岡多線は読んで字のごとく東海道本線岡崎駅と中央本線多治見駅を結ぶ予定だった線路。さらに多治見駅からは瀬戸線という線で東海道本線の稲沢駅と名古屋の一つの隣にある枇杷島駅を発着する予定でした。こうすることによって貨物は名古屋駅に入ることなく方向転ができるようになります
しかしこの計画は頓挫してしまったのです。一時期ほど列車本数が多くなく、トラック輸送の普及に伴って貨物列車の本数も減ったことが要因としてあるようです。
それで東海道本線岡崎駅から中央本線多治見駅まで走る予定だった線路(岡多線)は愛知環状鉄道が、中央本線多治見駅から東海道本線稲沢駅枇杷島駅に発着する予定だった瀬戸線は今こうして城北線として運行されているというわけです。
最近になって建設が予定された線路なので高規格で高架区間を走ることはできるようになっています。
さて城北線に話を戻しますがこのJR中央本線勝川駅から南に400mほど歩いたところに城北線勝川駅が存在します。
絶妙に乗り換えの便が悪いです。
実は中央本線勝川駅には城北線が発着する予定のスペースが設けられているのですが、城北線は中央本線勝川駅に直通することができません。いや、できるのですが予算の都合上できません。これは鉄道運輸公団というJR東海とはまた別の鉄道会社の呪いがあるためですがここで書くと長くなるのでこちらの動画に説明を譲ります。
名古屋の街中を走っているのに1両なのも、運賃がボッタくりのように高いのも、複線高架なのも、JR勝川駅に侵入できないのもぜんぶ鉄道運輸公団の呪いなのです。
と、いうわけで今回は午前中を使って名古屋にある変態鉄道を乗り比べてみました。
名古屋は自動車文化の普及に伴って、鉄道文化も独自の進化をとげたんでしょうか?
かなりおもしろい公共交通なので皆さんも機会があればぜひ乗ってみては?
それではここまで読んでいただきありがとうございました。