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みんなの九州きっぷ旅行記② 西大山駅、阿蘇…九州の絶景を回る

こんにちは、かもめ(@kamomeNo3885)です。

さて今回は2日間12,000円でJR九州の特急新幹線を含む全ての列車が乗り放題という素晴らしいきっぷ「みんなの九州きっぷ」を利用して九州一周の旅行をしています。

昨日は博多駅を出発し日本最長の急行特急であるにちりんシーガイア号宮崎空港行きを乗り通し、宮崎から特急きりしま、指宿枕崎線などを乗り継いで日本最南端の終着駅である枕崎駅まで行ってきました。

昨日の模様はこちらからご覧ください。

本日はこの枕崎駅を朝6時の始発で出発し正真正銘日本の最南端の駅である西大山駅を目指します。

本日の移動ルート。下に書いてあるが、総乗車時間は11時間にも及んだ。

枕崎駅の始発に乗車し西大山駅へ

枕崎駅からは朝6時4分発の鹿児島中央行きに乗車します。

まだ暗い朝6時台の枕崎駅から始発列車に乗車する

枕崎駅は日本最南端の終着駅でありターミナル駅として有名ですが、乗車したのは私一人だけでした。それもそのはず。地名として有名な割にWikipediaによると1日の乗降客数は30名弱だそうです。

このまま目的地の西大山駅までは完全に私だけの貸切状態が続くかと思いましたが、途中の駅で一人乗客が乗って来られました。それでも2両の列車に私を含め乗客は2名だけという閑散としたローカル線ならではの雰囲気が続きます。またキハ40型という昔ながらの向かい合わせのボックスシートも旅情を誘います

キハ40系の車内

この日の鹿児島の天候はまだ2月後半にもかかわらずかなり暖かかったです。また、乗客が私だけだったということもあり窓を開けてみたのですが2月の朝のほんのり冷たい空気と田舎特有の清々しい空気が違いに入り込んできてかなり爽快でした。

 

列車はちょうど1時間で西大山駅に到着。ここは日本最南端の駅として知られ、ホームからは美しい開聞岳が見られることで有名です。

ちょうどこの日は運良く快晴で、このように素晴らしい開聞岳の写真が撮れました。

西大山駅から眺める開聞岳

しかし、問題はこれから。こう言っちゃ悪いが、何もないド田舎の駅「西大山駅」に次に到着する列車は2時間後です。

駅の目の前にちっちゃい道の駅のようなものがありましたが、そこもまだ朝早すぎて空いていません。とりあえず駅の近くにあったざわ販売機でコーヒーを買い、コーヒーをすすりながらスマホで地図を眺めます。

 

そこで目に飛び込んできたのは「青春18きっぷ2010年夏ポスター撮影場所」と言う文字。ここから少し距離がありそうですが歩いて行っても20分弱で着くようです往復40分撮影時間も含めると1時間弱といったところでしょうか。ちょうどいい暇つぶしになりそうなので歩いて行ってみることにしました。

西大山駅の近くに「青春18きっぷ2010年夏 ポスター撮影場所」の文字が!

そこで撮影した写真がこちら。

撮影した写真

実際の青春18きっぷの写真がこちら

2010年夏の「青春18きっぷ」ポスター・チラシ | 青春18きっぷから伝わる旅情
青春18きっぷ2010年夏のポスター

1両のディーゼルカーと後ろにそびえる開聞岳が素晴らしい風景でした。

ここから再び20分程度歩いて西大山駅まで戻ります。

西大山駅に着いた頃には日本最南端の駅として有名なだけあって観光客であろう人たちが数名集まっていました。しかし、私と1名を除いては皆さん車で西大山駅まで乗りつけている方々のようです。

それが悪いことだとは思いませんが、このようにちょっとした観光地「西大山駅」であってもあまりに辺鄙なところにあるため観光で人を呼ぶということは難しいんだなと実感しました。加えて列車の本数もかなり少ないですからね。

西大山駅の時刻表。鹿児島中央まで直通するのは1日3本のみである。

 

そうこうしていると向かいの道の駅のようなところで働いているであろうおばあちゃんが我々観光客にみかんの差し入れをしてくれました。

よくドラマなんかで田舎のローカル線に乗っていると相席したおばあちゃんがみかんをくれるといった光景を見ることがありますが、そのようなことが実際にあるとは驚きです。ドラマの中の世界と思っていたのに…

いただいたみかんの差し入れ。この辺の鹿児島で作っていると仰っていたが、かなりジューシーで美味しかった。あまりに美味しかったので帰りの指宿枕崎線の列車の中で連続で食べてしまいました。

ちなみに西大山駅は当然ながら無人駅です。

西大山駅の入場券はここから3駅だけ鹿児島側に向かった指宿駅で購入することができます。

私は昨日の夜鹿児島中央から終点の枕崎に向かう途中で指宿駅で列車接続の待ち合わせがあるのですが、そこで駅員さんに申告し入場券を購入していました。駅員さんもとても親切で「入場券に日付が入れられますけど何時にしますか?」と聞いてくれたので「明日訪れる予定なので明日の日付にしてください」と言って日付まで完璧にしてくれました。

西大山駅の入場券。指宿駅で購入できる。

さて西大山駅からは再び指宿枕崎線に乗車し鹿児島中央を目指します。途中指宿駅で10分程度の待ち合わせ時間があります。鹿児島中央駅から終点の枕崎駅までは乗り通すとに2時間半程度かかるのですが一本で直通する列車は少なくほとんどの列車が指宿駅で接続となります。

絶景の桜島を堪能!

鹿児島では当然、城山公園に向かいます。

城山公園は旧鹿児島城があった付近にある鹿児島市内が一望できる公園です。そこからの眺めがこちら。幸い天気も良く絶景の桜島を眺めることができました。

城山公園から一望する桜島と鹿児島市街

聖徳太子の1万円札!

聖徳太子の一万円札は福沢諭吉の一万円札より一回りか2回りくらい大きい。

城山公園で素晴らしい桜島を眺めることも目的の一つですが本当の目的は実はこっちだったりします。

城山公園の近くにある売店では何と板垣退助の100円札や聖徳太子の一万円札を配るお土産屋さんがあるのです。

YouTubeで見たのですが、確かにありました。

 

お店の方の話によると、500円の購入で一万円札以外のお札が交換でき2000円ぶん購入すると1万円札が交換できるとのことです。

そう、交換なのです。

つまり、旧札とはいえまだ使うことができるお札ですから、こっちの持っている現在の福沢諭吉の一万円札と聖徳太子の一万円札を交換することになります。つまり聖徳太子の一万円札をもらおうとするとお土産の購入代金2000円と1万円の購入代金1万円が別途必要になりますので合計12000円必要ということになります。

私は聖徳太子の一万円札が欲しかったので迷わずに2000円ぶんのお土産を購入しました。西郷隆盛の手ぬぐいとアカガシと呼ばれる木を使ったお箸です。

アカガシは薩摩藩で古くから使われていた木刀の材料となる木でとても堅いことが特徴です。実際に持ってみるとお箸の割にはかなり重くずっしりとした感触があります。薩摩藩か昔「チェスト!」と叫んで敵に向かって行った木刀もこの木から作られていたというわけですから硬くてずっしりしているのも当然です。

 

さて皆さん気になっているであろう、なぜこのお土産屋さんにのように旧札が大量に残っているのかと言うと、お土産屋さんのお父さんが旧大蔵省に働いていたからだそう。お札のデザインが変更になる際に大量に買い取って家の金庫に保管していたというわけだそうです。

 

帰りに西郷隆盛の像と大久保利通の像を眺めて帰りました。

ちなみに城山公園降りた所にあるk10(ケーテン)カフェというカフェでは西郷隆盛のご子息の形が運営されているそうなので様々な面白い話を聞くことができるようです。

九州横断の旅へ!

鹿児島からは一気に熊本まで新幹線で移動します。

新幹線の端から除く桜島の光景がまた鹿児島らしくて素晴らしい

今回使っている「みんなの九州きっぷ」はJR九州内のすべての列車が乗り放題なので新幹線も乗り放題になるのですが、実は2日間で新幹線を使うのはこの一回限りです。なんと鹿児島中央駅から熊本駅まで1時間足らずで移動してしまいます。

ちなみに鹿児島中央まで直通するN700系は自由席が2×3の配列なのに対し、指定席は2×2の配列になっています。2×2の広い座席の配列になるのは東海道・山陽新幹線の場合グリーン車だけですので指定席車両に乗ると実質グリーン車並みの広い座席を確保することができます。熊本や鹿児島中央にまで直通する新幹線に乗る場合は絶対に指定席をとるべきです。

自由席
指定席

熊本駅では乗り換え時間が20分ほどしかないので観光することはできませんでした。駅併設のミスタードーナツでドーナツでも食べて時間を潰します。

熊本駅は熊本城の武者返しを模した構造になっており壁面が湾曲している

熊本駅から乗車するのは九州横断特急という列車。

その名の通り九州の西側に位置する国は熊本から九州の東側に位置する大分県の別府駅まで九州を横一直線に結びます。この列車は別府行きですが私は途中の大分駅で降りることにします。

なぜ九州横断特急に乗ろうと思ったかと言うと、途中阿蘇を貫くためその辺の景色が素晴らしいからです。

再度、今回の移動ルートを。熊本から大分まで横を貫くのが九州横断特急。
残念ながら最前列の前面展望席を取ることはできませんでしたが、最前列の座席が予約できた場合このように座りながらにして前面展望を楽しむことができる

熊本駅から大分駅まで九州を横一直線に結ぶ路線の名称は豊肥本線。

熊本駅から水前寺や熊本空港への最寄り駅である肥後大津駅などに停車していきます。ちなみに熊本駅から一つお隣の平成駅は平成最後の日にちょっとした感じになっていた場所です。私もその平成駅の入場券を購入しました。

平成最後の日に購入した平成駅の入場券

途中の肥後大津駅までは熊本県の郊外といった感じなのですが、肥後大津駅を通過した瞬間まさしく阿蘇登山に挑む登山列車に様相が変わります。この辺の名物は立野駅でのスイッチバックです。

阿蘇の美しい山々を眺めながら列車は進む

列車は途中、豊後竹田という駅に停車します。ここは滝廉太郎の出身地で滝廉太郎の名曲「荒城の月」で歌われた岡城はこの駅の裏にある城と言われています。さらにこの豊後高田駅の発車メロディーには荒城の月が使われており、深夜真っ暗闇の駅のホームに流れる荒城の月はホラーとして有名です。

 

個人的には三角線の石打ダム駅の方が怖いです…

また途中に通過する三重町駅付近は日本の椎茸の発祥の地とされています。緒方駅にはこのように記念碑までありました。

大分駅に来たなら絶対行け!シティスパ「てんくう」

さて列車は大分駅に到着。

豊肥本線の大分駅のひとつ手前は滝尾駅という駅なのですがかなり田舎にある駅です。

滝尾駅と大分駅のギャップを比べると日本で一番一駅間のギャップが激しい駅と言えるかもしれません。実際に面白半分で「一駅間のギャップが最も激しい駅を教えてください」という投稿をヤフー知恵袋にしてみたところそれなりの方がこの区間をあげていました。山陰本線の鳥取福部駅間もかなり有力候補です。

 

大分駅からは特急ソニックに乗車し博多駅を目指します。

乗換時間は30分程度と思っていたのですが、私の見間違いだったようで30分後に出るのは特急にちりんシーガイヤでした。にちりんシーガイアというのは日本最長距離を走る昼行特急で博多駅から宮崎空港までを結びます。一日一往復だけ設定されており昨日乗った博多から宮崎空港まで乗り通したのがこの列車です。さすがに2日間同じ列車に乗るわけにはいかないので、もう30分後の特急ソニックに乗ることにしたのでした。

特急ソニックは振り子式制御装置も備えており表定速度が日本で2番目に速い特急です。やはり乗るなら早い方に乗りたいですからね。

 

ということで大分駅で1時間ちょっと時間持て余すことになりました。乗り換えが30分なら行けないなと思っていたのですが、1時間あるならいいや行っちゃえということで「シティスパてんくう」に行くことにしました。

シティスパてんくうは大分駅の隣に併設してあるJR九州が運営するホテルの最上階にある温泉のこと。さすが「おんせん県おおいた」というだけあって実は大分駅の地下には温泉が湧いているのだそうです。それをポンプでくみ上げて屋上のシティスパにしているのがこの「てんくう」という施設です。

 

実は3年くらい前に一度訪れたことがあるのですが、屋上からの眺めが素晴らしくさらに大分駅に出入りする列車も温泉につかりながら見ることができるので鉄道マニア的には最高な場所でした。ということでもう一度行ってみることに。

入湯料は1600円と決して安くはないのですが、露天風呂にサウナと十分な設備は整っています。今回は1時間ちょっとの入浴で1600円なのでかなりブルジョワ的な利用の仕方になりましたが、時間のある方はゆっくり数時間かけて温泉に浸かって1600円なら安いのではないでしょうか。さらに2000円払うとヒーリングスパやラウンジが使い放題になるのでもっとお得です。いつかはこちらの2000円の入浴プランでゆったり使ってみたいものです。

ということで早速大分駅併設のJR九州のホテルの最上階に向かいますそこからの大分市街の眺めがこちら。奥に見えるのはお猿さんがたくさん住んでいることで有名な高崎山です。後で乗る特急ソニック号はこの山の方に向けて出発していき山の脇にある大分第2の都市別府に停車します。

シティスパ「てんくう」から眺める大分市街の眺め

さて温泉に小1時間浸かって帰る頃にはこのような大分市街の夜景も楽しむことができました。

ソニックとみどりを乗り継いで一気に佐世保へ!

ここ大分駅からは特急ソニックで博多駅を目指します。

ソニックには青いソニック883系と白いソニック885系があるのですが今回乗ったのは885系でした。

白いソニック885系

先述したように特急ソニックは表定速度が日本で2番目に速い特急です。

885系の場合、先頭車の運転席後ろの座席を確保すると前面展望が楽しめます。さらに885系の運転席後ろのガラスは液晶を挟み込んだガラスになっており運転席の非常ブレーキと連動しています。非常ブレーキがかかっている場合(駅停車中など)はガラスの間に微弱な電流が流れ曇りガラスとして働きます。しかし、非常ブレーキが解除されると電流は止まり液晶が動かなくなるため通常の透明なガラスとして機能します。

大分駅からソニックで博多駅に向かいその後、数分で接続する特急みどりに乗り佐世保駅を目指します。

博多駅と長崎県の佐世保駅を目指す特急は「みどり」と名付けられてますが、昼の時間帯はハウステンボス行きの「特急ハウステンボス号」を連結して途中の早岐駅まで一緒特急みどり&ハウステンボスとして運転されます。

しかし、夜の時間帯はハウステンボスが閉まっているので、特急みどりだけが運転されます。しかも、最終列車は787系の運用。

787系は黒い列車なのですが、みどりを名乗ります。みどりとは何か考えさせられる哲学的な列車です。

哲学的な「みどり」
写真:きらめき
JR九州787系

佐世保駅に着いたのは午前12時前でかなり夜遅くなってしまいましたが、朝6時台の枕崎駅の始発の普通列車に乗り、博多駅から最終の特急みどりに乗って佐世保駅に向かう。このJR九州全線乗り放題の「みんなの九州きっぷ」を最大限活用した旅行となりました。

さてところで、私の住んでいるのは関西地方ですが、帰りの事を考えると新幹線に接続する博多駅もしくは小倉駅で1日の行程を終えるのが都合が良いです。しかし、なぜ佐世保駅に来たかと言うと2つの目的があります。

1つは佐世保バーガーを食べる事。

2つ目は今まで乗車したことのない大村線に乗って大村湾の景色を眺めることです。

 

ということで明日はハンバーガーと大村線の旅になります。明日の宿泊予定地は長崎です。

それではここまで読んでいただきありがとうございました。

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