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絶景スギィィ!!雪晴れの宗谷本線を走り抜ける普通列車に6時間の全区間乗車(冬の北海道6日目)

旭川駅
旭川駅

皆さん、おはようございます。かもめ(@kamome_No3885)です。

本日は1月4日。私は今北海道第2の都市である旭川の旭川駅前にいます。

さすが北海道第2の都市とだけあって駅前はかなり栄えています。

しかし人口は30万人。

札幌市の人口が200万人ですから1位と2位ではかなりの差があることがわかります。

ちなみに第3の都市は函館市でこちらも30万人を少し切る程度。いかに北海道の札幌一極集中がすごいが分かります。

テレビであるコメンテーターが北海道民の札幌指向は日本全体の東京指向よりも凄まじいと言っていたのが印象的でした。

北海道は札幌だけが抜きん出て、他の都市は寂れるといった将来になってしまうのでしょうか。

札幌市は大都会とはいえかなりの豪雪地帯で、あそこまで雪が降る都市に人口があれだけ集中するというのは世界的に見てもかなり稀なことだそうです。

ちなみに旭川市はと言うと札幌市よりもかなり過酷な環境にあります。

これは天気予報を見れば一目瞭然で冬は札幌市よりもかなり寒くなることが多いです。

これは旭川が内陸にあり土地の比熱が小さいこと(温まりやすく冷めやすい)に原因があります。

つまり旭川市は夏暑く冬寒いという環境です。

試される北の大地とは旭川市のことだと勝手に思っています。

そんな旭川市ですが、現在の気温は-11度。はい、試されています。

新春を祝う旭川駅
新春を祝う旭川駅

 

本日の予定はこちら。

旭川から稚内に行って札幌に帰ります。

この旅行の中で最長の移動距離だと思います。

発駅 発時刻 着駅 着時刻
旭川 603 稚内 1207
稚内 1524 ノシャップ岬 1536
ノシャップ岬 1615 稚内 1627
稚内 1744 札幌 2257
この日の行程。旭川-稚内-ノシャップ岬-稚内-札幌。
おそらくこの旅行で最も移動距離の長い日。

旭川から宗谷本線の普通列車に乗車

これから乗る宗谷本線は旭川駅から日本最北端の稚内駅までをつなぐ路線です。

途中は豪雪地帯であることが知られており、日本で唯一毎日ラッセル車の運行がある路線でもあります。それくらいこれから雪深いところは走って行きます。

以前YouTubeで宗谷本線の前面展望動画を見たのですが、雪晴れの天気で青い空に真っ白な線路というのがとても印象的でした。

私も一度はこの目で実物を見てみたいと思い本日乗車してみます。

ただ今の旭川の天候は曇り。

時々吹雪くように雪が吹きつけてきますが、この先晴れてくれるでしょうか。

昨日、深川駅前のポータブル伏見稲荷で天候祈願をしておけばよかった…

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神居古潭 旭川 冬 カムイコタン
深川駅前のポータブル伏見稲荷
深川駅前のポータブル伏見稲荷

祈るような気持ちで乗車します。

ちなみに宗谷本線で前から流れる景色を見たいと思うならば、普通列車に乗車するほかないです。

というのも宗谷本線には特急宗谷やサロベツといった特急列車が走っていますが、これらの車両は前面展望ができる構造になっていません。

そのため目の前にパッと開けた雪景色を見たいならば普通列車に乗る他ないのです。

この列車は旭川駅を朝6時過ぎに出発し終点の稚内駅22時過ぎに到着するという運行時間が6時間を超える普通列車です。乗り鉄からは有名な列車ですね。

宗谷線 普通列車
稚内まで6時間を走破する普通列車
このように宗谷本線特有のサボも取り付けてある。

旭川駅の時点では2両で運転されていますが、途中の名寄駅で後ろ1両を切り離し一両運転となります。さ

て6時間の旅へ出発です。

列車は旭川を出発

旭川駅は北海道第2の都市でありそこそこ乗降客数の多い駅です。

そのため旭川駅近郊はそこそこ除雪がしてあったのですが、永山駅付近に来ると遂に雪で線路が消えました。雪で線路が完全に埋もれてしまっています。こんなところでもう走っていくのだから大したものです。

永山駅

塩狩峠

蘭留(らんる)駅を過ぎると列車は有名な塩狩峠に入ります。

この峠は稚内方面に向かう時だけかなり勾配が険しくさらにクネクネと曲がりくねっています。

塩狩峠の上り勾配

そのため列車はかなり低速で運転します。

頂上にあるのが塩狩駅。

この時点で今まで乗ってきた北海道の路線とは雪のレベルが違うことを思い知らされます。

塩狩駅
塩狩駅

昔、連結装置が外れて暴走してしまった列車に自らの身を呈して止めた鉄道員の話があります。(列車を止めるために自らが下敷きになったのです)

これは悲劇として語り継がれているのですが、有名な小説「塩狩峠」の元となったエピソードでもあります。

「わっ!寒い」駅、和寒駅

塩狩駅からは下り勾配。

こちらの勾配はそこまで線路が曲がりくねっていないようで登る時は30kmぐらいの低速でノロノロと登っていましたが下りは時速80kmぐらいでぶっ飛ばして行きます。

峠を下ったところにあるのが和寒(わっさむ)駅。これは特急も停車する主要な駅です。

「わっ寒!」と言ったギャグが有名な和寒駅ですが、実際に和寒は内陸にありかなり気温が低いことで知られています。

こんなところでこんな寒いギャグを言ってしまうと命に関わります。絶対にやめましょう。

真面目なことを言うと、和寒はアイヌ語の「ワットサム」に由来します。

これは「ニレの木の傍ら」という意味で、ニレの木が繁茂していたところから名づけられたそうです。

和寒駅
和寒駅

名寄駅で一両切り離し

列車は宗谷本線の旭川-稚内の中で最も栄えていると思われる駅、名寄駅にします。

名寄は名寄市の中心駅で宗谷本線の中で旭川を除くと間違いなく一番大きな駅でしょう。

名寄では20分程度の停車時間がありました。

これは先ほど書いたように後ろ1両の列車を切り離すためです。

すなわち名寄から以北はそれくらい需要のない人気のない所を走って行きます。

実際に名寄から北は市と呼べるような自治体は存在せず唯一ある市は終点の稚内市だけです。

名寄の駅前に降りてみた。この時点でかなりの豪雪。
名寄駅前には私の身長の2倍はあろうかという雪の山
こんなに寒いのに…作業員さんには頭が上がりません

宗谷本線にも新駅が!

宗谷本線は2021年のダイヤ改正で12の駅が一気に消滅したことで知られています。

それくらい宗谷本線は秘境地帯を走っていくのです。誰も駅を利用していないから廃止されるのは当然です。

そんな宗谷本線ですがなんと2022年に新しい駅ができました!

それが名寄駅の次の名寄高校駅。

名寄高校の最寄りの駅でして新しく設立された駅です。

この日は1月4日。

この駅で乗降はありませんでしたがそんなことはお構いなく列車は停車します。

そしてドアが開きます。

足元はなんとこんな状態。

名寄高校駅
列車は名寄高校駅に停車
足元はこんな状態

これでも途中長靴のようなものを履いて地元の方らしき人が乗り込んできます。

乗ってくる人達はみな雪を足で巻き上げながら乗ってくるのですが、北海道の雪は本州のような雪とは違いパウダースノーです。

水分をあまり含んでいないためサラサラしており、手でさっと払うとすぐに落ちます。

そのため車内が水浸しになるというようなことはあまりなかったという印象です。

北海道の雪の性質もありますが、北海道の人が雪の扱いに慣れているというのもあるでしょう。

冬の北海道列車旅はカードが必須!

さてJR北海道の列車といえば普通列車でもデッキがついています。

これは北海道の家のドアが二重になっているのと同じで、ドアを二重にすることで暖房効果を高めるためだと思われます。

さらに客室の窓もう二重になっています。これも同様の理由ですね。

しかし外側にある1枚目の窓はすぐに凍ってしまいます。これでは車窓が見えません。

そのため車内に乗っていた鉄道マニアらしき人は手持ちのクレジットカードなどを取り出してガリガリと削っていました。

私もそれを真似してみることにします。

しかし、削ってもすぐにまた凍ってしまいます。

このように内側についた結露が凍ってしまうためすぐに窓が氷だらけになります。

少し綺麗になっているところが私がカードで削ったところ。でもすぐにまた凍ってしまう

右下の少し氷が綺麗になっているところが私が削ったところです。

外は氷点下でさらに列車は走るので冷たい風がモロに窓に当たります。そのためすぐ水分が凍ってしまってこのようになるのでしょう。

地元客の利用もある

途中、美深駅からおばさん集団が8人ほど持ってきました。

皆さんの知り合いのようでロングシートに対面に腰掛け世間話に花を咲かせています。

お正月の初売りはどうだったとかスーパーはどこどこが安いみたいな主婦の話をしています。

美深を稚内方面に出発する普通列車は1日4本。

このおばさん達は会話の内容からするに100%地元民でしょうけど、器用に列車を使いこなすものです。

このような光景を見ると利用者数が少なく廃線の話題も出ている宗谷本線ですが、地元の方にも使われているんだと感じます。

しかしこのおばさん達どこへ行くのでしょうか。

世間話に聞き耳を立ててみるとどうやら町の集会に出かけるようです。

街というのはどこでしょうか?

普通に東京や大阪の人からすると街と呼べるような地域はこの辺りにはありません。

結局このおばさん集団はみんな音威子府で降りていきました。

雪のピークは音威子府

列車は天塩川温泉駅の手前の信号場で停車します。

ここで対向の普通列車と特急列車日本の退避待ちをすることになっているのですが、どうやら対向列車が20分ほど遅れているようです。

このような豪雪地帯ですからおくれは当たり前です。仕方ありません。

この時ちょうど天気が晴れてきました。私が思っていた通りの青い空と白い線路。完璧な写真が撮れました。

豊清水信号場
豊清水信号場で対向と行き違い

さて、北海道の降雪量ランキングや積雪量ランキングを見るとだいたい音威子府が上の方にいることが多いです。

私が旅行していた時は第2位に音威子府が入っており1位は朱鞠内でした。

朱鞠内というのは幌加内町にある朱鞠内湖で有名な地域です。

深名線(深川から名寄まで)という路線が走っていましたが、とっくの昔に廃線になってしまいました。

ちなみに幌加内という地域は豪雪だけではなく気温が低いことでも有名で、私が旅行している時の最低気温ランキングも大体1位は朱鞠内だったものです。

さて話を元に戻しましょう。

私は旭川から稚内まで宗谷本線乗り通しましたが積雪のレベルは確かに地域によって差があったように感じます。

それでも他の地域に比べると豪雪ということには変わりありませんが。

そして確かに音威子府付近が一番積雪が多くなりました。

北海道の積雪量ランキング
音威子府駅
音威子府駅

 

動画上げました↓

川は鉄道の母である

天塩川
天塩川

さて名寄を出たあたりからずっと進行を左側には天塩川が流れています。

天塩川はこの宗谷本線の生みの親とも呼べる川で宗谷本線は天塩川の削った谷に沿うようにして進んでいきます。

昔のまだ土木技術が未発達だった時代に作られた路線はこのように川の作った谷に沿って進むしかないのです。

その為「川は鉄道の母で」あるという言葉もあるくらいです。

これはこの宗谷本線でも特徴的な現れていますが、中でも特徴的なのは四国にある徳島線ではないでしょうか。

この路線は四国三郎の名で知られる四国最大の大河「吉野川」に沿って作られた路線です。航空写真で見ると一目瞭然。まさに川は鉄道の母なのです。

その天塩川ですが今はバリバリに凍ってしまっています。

とはいえ完全に凍っているということはなく川幅の真ん中ら辺はかろうじて水が流れているようです。

1月の後半か2月頃になると完全に凍ってしまうそうでエゾシカが川を歩いて横切っているのが見られるらしいです。

シカも冬になると川が凍ってしまい歩いて対岸に渡れることを知っているのでしょうね。

シュールな駅「糠南駅」

さて、列車は皆さん大好き糠南駅に到着します。

糠南駅は一部の鉄道マニアから有名な駅で、それは何と言っても駅舎がこの物置小屋と言うシュールな感じがウケているのだと思います。

私も車内からですが、ドアが開いたタイミングでこの物置小屋と駅名表の写真を撮りました。

糠南駅
糠南駅

驚くのは背景。

積雪が凄すぎて天然のマットレスのようになっています。

こんな光景は初めて見ました。

糠南駅は地図で見るとこんなところにある駅ですか、ここから稚内までは更に一時間半かかります。北海道の広大さを思い知らされます。

おもしろい日本最北の温泉「豊臣温泉」

糠南駅からは途中幌延(ほろのべ)や豊臣(とよとみ)といった特急停車駅があります。

豊臣は豊臣温泉で知られる駅で豊富温泉は日本最北の温泉として知られています。

さらにその泉質は珍しく石油を含んだ温泉で、温泉のドアを開けると昔のおばあちゃんの家で嗅いだようなが石油ストーブの匂いがするそうです。

一度は訪れてみたいと思っていますが、なんて秘境すぎて叶うのはいつになることやら…

豊富温泉 ミライノトウジ

豊富温泉はアトピーや乾癬等の皮膚疾患に効能が高い温泉として有名です。このサイト(ミライノトウジ)は日本最北端の温泉郷と言…

それに豊臣は酪農が盛んですね。

北海道のローカルコンビニ「セイコーマート」に行くと、豊富牛乳をよく目にします。

稚内に到着!

列車は旭川駅を経って6時間、12時10分ほどに終着の稚内駅に到着しました。

途中の信号場で特急の待避待ちで20分ほどの遅延を持っていましたが、気づかないうちに巻き返していたようです。

宗谷本線はこのように豪雪地帯ですから遅延が日常化しています。

私もそもそも定刻で稚内に到着するなどとは考えていなかったのですが、思いがけずほぼ定刻で到着しました。

感服です。

稚内観光

帰りは17時44分の特急宗谷で札幌まで戻ることにしています。

そのため稚内で5時間半くらい時間があります。特に何をするでもないのですが駅前を散策してみましょう。

気温は-5.6度!
稚内の駅前。これまで走って来た秘境地帯と比べるとずいぶん栄えているが、稚内市街は南稚内駅の方に近いらしい
こんなところに猫が!こんなに寒くても生き延びれるのでしょうか?

北防波堤ドーム

やはりまず見に行くべきは稚内北防波堤ドームでしょう。

今でこそ日本最北の駅は稚内駅となっていますが、少し前まではこの先まで線路が延びており日本最北の駅は稚内桟橋駅でした。

そこから船に乗り換え樺太に向かうというのが樺太航路として知られていたのです。

船の出発までは待ち時間があります。

そのためここに築かれた稚内北防波堤ドームで船に乗り換える人々は雨風を凌いでいたということです。

実際にこの稚内北防波堤ドームの目の前からは今でも多数の船が出港しています。

これはどうやら利尻島に行く船のようです。

私は建築関係には全く詳しくないですがこの北防波堤ドームの建築はとても美しいと思います。

外から見てもいいですし、中に入ってこのように望遠の効くレンズで撮ると良い写真が撮れます。

稚内は豪雪地帯ですから道路はどこも雪が積もっています。

そのため雪のないこの北防波堤ドーム内を何往復もジョギングしている方を多数見かけました。

全長は427mあるそうです。

昔はバイクで日本一周などしているライダーがここで野宿している光景がよく見られたようですが、さすがに今は禁止されています。

ですが稚内駅の前にテントを張って野宿する人も後を絶たないようで、ちょっと問題になっているようです。

北門(ほくもん)神社

稚内北門神社
稚内北門神社
信号が縦型なのが雪国独特(雪が上に積もって重みで壊れないように縦型にしてある)

稚内防波堤ドームから海を右手に見ながら少し歩くと北門神社という神社があります。

とりあえずすることがなかったのでここにも参拝しておきました。

この日は1月4日。

今日から仕事初めという方も多いようで職場の人と一緒に来られたのであろうスーツや作業着姿のサラリーマンが多数見られました。

稚内の地元の人は初詣と言ったらここみたいですね。

カメラやスマホから水が湧く⁉

なんのことはない普通のラーメン屋で醤油ラーメンをいただきました。

外を歩き回って寒さを感じていたので身に染みます。

ここで面白い現象に遭遇しました。

肩からぶらさげていたミラーレス一眼カメラから水が湧き出したのです。

というのはもちろん誇張表現ですが、ティッシュで拭いても拭いてもどんどん水が付着して行きました。

外でキンキンに冷やされたミラーレスカメラにラーメン屋の暖かい室内と湿度の高い環境が相まって表面がどんどん結露して行ったというわけですね。

当然スマホもびちょびちょです。

ティッシュで拭いても拭いてもどんどん水がついていきます。こんな経験は初めてしました。

稚内公園(辞退)

この後稚内公園というところに行ってみようと思ったのですが、坂が長く、あまりにも雪深く通行止めになっていたので断念しました。

おそらく通行止めは車だけで歩いて入っても問題ないのかと思いましたが、上から降りてきたおじさんは何とスキーを履いており滑って降りてきました。

流石に観光客がふらっと入って良いような場所ではないと感じたので引き返します。

この日の気温はマイナス6度。

スノーブーツを履いているとはいえ人気も少ないところですので遭難したら命に関わります。

上から来たおじさんとも少し話したのですが辞めておいた方がいいとのことでした。

さらにこの日の気温はマイナス6度でしたが昨日よりまだマシと言っていました。いかには稚内が寒いかわかります。

ノシャップ岬

最後に訪れたのはノシャップ岬です。

これは名前が本土最東端の納沙布(ノサップ)岬と似ていますが、稚内駅からすぐ近くにある岬です。

稚内と言うと日本最北端の宗谷岬が有名ですが、宗谷岬は1日4往復しかバスがなく、さらに稚内駅からは1時間ほどかかります。

しかし、ノシャップ岬なら15分間隔で稚内駅前からバスが出ており、さらに15分程度で到着します。

日本最北の宗谷岬には劣りますが、それでもノシャップ岬は2番目に北にある岬です。

アクセスが良くかなり行きやすいのでおすすめです。

駅前の北防波堤ドーム付近からの眺め。あちら側が宗谷丘陵で先端に宗谷岬がある。

岬までは稚内市街というような感じの所を走って行きます。

宗谷岬のバスは途中海岸線の人の住んでいないようなところをずっと走って行くのですが、ノシャップ岬までは割と都会が続いているという印象でした。

 

これがそのノシャップ岬。

私はかなり防寒装備をたくさん持ってきたためこの北海道旅行で寒いと思ったことはほとんどもなかったのですが(-10度の中で2時間滞在した茅沼駅でもそこまで寒いとは思いませんでした。手袋を脱いだり、中に着込むために上着を脱いだ瞬間などは地獄でしたが…)、最後の最後で試練がやってきました。

めちゃくちゃ寒い!

気温は-6度ほどとそれほどでもないのですが(-6度でそこまでではない、と思ってしまう時点で感覚がバグっています)、なんせ風がめちゃくちゃ強い。

風速は1m増すごとに体感気温は1度下がっていくといいます。

それをあてにすると今の体感気温はマイナス20度ぐらいじゃないでしょうか。

とりあえず近くにあった公衆トイレの影に入り、風をしのぎます。

毎朝ホテルで熱湯を沸かしてサーモスの保冷瓶に入れて持ち歩いていたので、それを命の水として飲みます。

 

 

ぬるい…

 

 

近くにあった自動販売機で熱いコーヒーを買います。それをすぐさまサーモスの保冷タンブラーに移し替えます。

 

 

ぬるい…

 

 

どうすることもできません。さっさとバスに乗って帰りましょう。

ノシャップ岬の横には稚内寒流水族館という日本最北の水族館があります。

この日は閉館していたのですが何やら外のプールから鳴き声がするので覗いてみるとゴマフアザラシがいました。

この体感気温-20度にもなろうかという環境なのに、僕は余裕ですと言わんばかりにゴロゴロとくつろいでいます。

さすがです…

稚内駅から2駅南下したところに抜海駅という駅があります。

その抜海駅から40分ほど歩いたところに抜海港という港があるのですが、そこは野生のゴマフアザラシの越冬場所として知られています。

実際にこの時期に行くと猛吹雪の中余裕でくつろいているゴマフアザラシが多数見られるようです。

それはこんな吹雪の中も余裕の顔でくつろげるわけですよね(笑)

さて僕は寒さで限界なのでさっさとバスに戻ります。

稚内チャーメンは食べるべし!

夜の稚内駅はきれいにライトアップされる

稚内駅まで戻ってきました。

稚内駅はリニューアルばかりの綺麗な駅で2階には映画館も併設しています。

鬼滅の刃無限列車編が公開された時は公開回数が1日7回なのに対し、列車は1日6.5往復ですから、実際の列車よりも映画の方が本数が多いとして話題になりました。

しかしここに映画館ができるまでは稚内市民は映画を見るとなると旭川まで南下しなくてはならなかったそうですから貴重な娯楽施設です。

旭川と言うと今日私が朝乗って来た駅で普通列車で6時間かかる駅です。250km先です。

道路標識によると250km先が旭川

そこまで映画館がひとつもないのですから、いかに宗谷本線が秘境地帯を走っているのかわかります。

そんな商業施設がたくさん入っている稚内駅ですがレストランでチャーメン食べました。

チャーメンとは稚内のソウルフードであんかけ揚げそばのような料理です。当然チャーメンは初めて食べたのですが、美味しいこと美味しいこと。

稚内近郊で採れたのであろう魚介類がたくさんあんの中には入っており、それがおこげのついた焼いた麺に絡まってめちゃくちゃ美味しかったです。

あんが絡まっているためずっと熱いまま食べ進めることができ、寒さで凍えていた体に染みます。

値段は1,100円と少々お高めでしたが、十分元は取れる素晴らしい料理でした。

特別な急行「特急宗谷」で札幌へ

運よく宗谷ははまなす編成でした

さて定刻になりました。

私は稚内発札幌行きの特急宗谷に乗って札幌に帰ります。

特急宗谷は1日1往復だけ運転される札幌と稚内を結ぶ特急です。運行距離は396.2kmで、日本最長の運行距離を誇るディーゼル気動車です。

特急列車などには上り列車には偶数、下りには奇数の番号が振られ例えば新幹線ならば「のぞみ60号」のような言い方をするのですが、特急宗谷は1日1往復しかないためこのような番号が振られません。

そんなことからしてもこの特急宗谷は特別なものに感じます。

札幌に着くのは22時57分の予定。

しかし宗谷線ですから遅れは日常茶飯時。さらに岩見沢付近の大雪の影響で遅れはもっと大きくなるかもしれません。

札幌に着くころには日をまたいで入る可能性も十分考慮しているため、この日はホテルを予約せず札幌の快活クラブに一泊する予定にしています。

(結局列車は11時半くらいに着きました)

札幌に到着。ここまで5時間お疲れ様でした

そして明日の飛行機で完済まで帰る予定です。

さて6日間(前後のきっぷを使っていない2日間=移動日を合わせると述べ8日間)にわたった冬の北海道周遊旅行はこれにて完結。

夏は同じきっぷで函館や小樽にも行ったのですが、今回はどちらにも行けなかったのがちょっと気がかりです。

特に小樽は大雪による列車遅延の影響されなければ行く予定にしていたので残念です。

この日の行程。旭川-稚内-ノシャップ岬-稚内-札幌。
おそらくこの旅行で最も移動距離の長い日。

夏と冬両方同じきっぷで周遊旅行した私から言わせてもらうと

「やっぱり北海道は夏冬両方とも行く」

に限ります。

どちらもそれぞれ魅力がありますが冬の場合ちょっと日が短いのが欠点ですね。

特に北海道は東の方にありますから本州よりも早く日が沈んでしまいます。

各日の旅行の様子はそれぞれの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。

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第2日目

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