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【おもしろいぞ智頭急行】乗り放題きっぷは安すぎる上に特急も乗れる!

皆さんこんにちはかもめ(@kamome_No3885)です。

今回は智頭急行線の乗り放題切符を使って因幡街道の宿場町めぐりをしてきましたので、その模様をご紹介いたします。

智頭急行とは

その前に智頭急行がどのような路線なのかご説明しておきましょう。

智頭急行は山陽本線の上郡駅から智頭駅までを結ぶ第三セクターの路線。

大阪・京都などの関西圏から鳥取・倉吉などの山陰方面まで高速で結ぶことを想定して建設された第三セクターの路線です。

上郡からは中国山地の山々の中を高規格な高架路線かつトンネルを駆使して最短距離でぶった切って行く路線ですから智頭急行線内ではトンネルが多数あります。

スーパーはくと号は京都-倉吉は4時間程度で結ぶ。その途中に通る赤色の路線が智頭急行線。

ここでは「スーパーはくと」と言う列車が走っておりこれは智頭急行の保有する車両 HOT7000形で運転されます。これに乗れば大阪から鳥取までに2時間半です。

さらに岡山からは JR西日本の保有する車両キハ187系でスーパーいなば号が運転されています 。これは岡山から上郡まで山陽本線を北上しその後スイッチバックして智頭急行線に入り鳥取を結ぶという列車になってます。

すなわち智頭急行線内には「スーパーはくと」と「スーパーいなば」という2つの特急車両が走っています。

スーパーいなばに使用されるキハ187
スーパーはくとに使用されるHOT7000形

智頭急行は先ほども書いた通り関西方面から鳥取までを高速に結ぶことを想定して建設された高規格路線です。

計画の際は①電化して振り子式電車を投入し時速160kmで走らせる方法、②電化して時速130kmで走らせる方法、③非電化のまま高性能ディーゼル特急を投入する方法の3パターンで試算されたそうですが、結局のところ一番最後の③非電化&高性能ディーゼル機関車が費用対効果が最も高いということでこのような運航がされているそうです。

そのようなわけですからスーパーはくとのHOT7000形はバケモノ気動車として有名。

振り子式制御装置を駆使しながら智頭急行線内では最高時速130kmでぶっ飛ばして行きます。

それに対してもう一方の特急車両であるスーパーいなばは最高時速が120kmに抑えられています。それは前面形状の違いによるものでスーパーはくととは違い前面がのっぺら顔ですから、トンネルに入る際の衝撃を受け流すことができず、トンネルの多い智頭急行線内では120kmに抑えられるとのことです。

智頭急行の乗り放題切符のコスパが良い!

さてこのような智頭急行では乗り放題きっぷを発売しています。

1日乗り放題で1200円!

普通運賃の場合、端から端まで片道(上郡-智頭)乗っただけで1,320円ですから、普通に片道移動するだけでも元が取れてしまうことになります。

さらに追加で自由席特急料金430円を支払えば智頭急行線内ならば特急列車に乗ることも可能です。

今回はこの乗り放題切符を駆使して因幡街道の宿場町めぐりをしてきました。

まず上郡から目指すは平福宿!

山陽本線を下車し上郡駅の窓口でフリーきっぷを買います。

まず向かうのは平福駅。

ここは佐用駅の1つお隣の駅で特急も停車しない田舎の駅ですが、駅前には昔の宿場町の風情が残っています。

平福宿は因幡街道の途中の宿場町で鳥取城の城主が参勤交代する際に泊まっていたとのことでした。

ちなみに今でも鳥取駅の裏に鳥取城跡が残されており、そこから眺める景色は壮観です。

平福宿の本陣跡。本陣とは宿場町で最も格の高い宿で殿様が泊まっていた。

 

正直なところ思ったよりもしょぼい…

 

本陣跡と周囲の数件くらいしか昔の街並みを留めている家はなかったですが、それでもこんなド田舎の1日26人(2016年)しか使わない駅の前に宿場町が残されているのは趣があります。

平福駅の前には平福川が流れており、そこの川端風景も観光パンフレットなどでよく宣伝されています。

それよりも私が驚いたのは平福駅の立派さ!

1日26人しか利用しない駅とは思えないくらいの荘厳な佇まいです。近畿の駅100選に選ばれた駅なんだとか。

平福駅
平福駅前には道の駅があり、その隣に展望台があった。正面に見えるのが平福駅。 山の上には昔の城の跡(利神城)見える。

平福駅に滞在したのは40分程度。

駅前に見所が揃っており、そこまで広くもないのでこれくらいの見物時間で十分です。

さて、平福駅から次は1つ来た道を戻って佐用駅に行きましょう。

佐用名物「ホルモン焼きうどん」に舌鼓

佐用には名物ホルモン焼きうどんがあります。

あれ?ホルモンうどんってこの前行った津山でも名物として街を上げてPRしていました…

どっちが発祥だとかで揉めてなければ良いのですが…それとも地理的にも近いのでなあなあで仲良くやってるんでしょうか?

まあそこんところは置いといて、ホルモン焼きうどんです。

佐用駅は姫路から伸びる姫新線も乗り入れるターミナル駅。

しかし、姫新線はショボい1両のディーゼル機関車ばかりなのに対し、智頭急行の方の乗り場は特急が発着します。

これぞ格差…

佐用駅から歩いて15分くらいのところにホルモン焼きうどんのお店がありました。駅周辺には名物だけあってたくさんの選択肢があったのですが、ここが1番人気店らしくなんとなく訪問。

お店の方が目の前の鉄板でささっと作ってくれました。

これが名物ホルモン焼きうどん

しょうゆと味噌のタレをブレンドしたものにニンニクを加えてつけ麺スタイルで食べます。

これがかなり美味い!

ホルモンもプリプリで豚バラも相まってうどんとの相性抜群でした!

皆さんもぜひ機会があれば訪れてみてください!

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さて、佐用駅でもうひとつ見て行きたかったのが佐用の大イチョウ。

樹齢1000年を越える大きなイチョウの木で信仰の対象にもしめ縄?もかけられていました。

智頭急行の線路がすぐ隣を走っているので列車からも見ることができます。

樹の周囲は12メートル!想像以上の大きさで驚きました。

ぜひ秋の紅葉の時期にもう一度見に来たいものです。

佐用の大イチョウ
佐用町観光協会より

佐用駅からは特急で智頭へひとっ飛び!

スーパーいなばのキハ187

佐用からは今回初の特急に乗車。キハ187のスーパーいなばです。

智頭急行線内の自由席特急料金は一律430円に設定されているようで、フリーきっぷを持っていれば430円の課金のみで特急列車の自由席に乗れます。指定席には乗れないみたいです。

普通列車とは違う乗り心地、その中聞こえてくるエンジン音。それでも静かな車内。

やっぱり特急型車両は違うなあと感心したものです。

智頭では智頭宿を見物

さて列車は智頭駅に到着。実はここはもう鳥取県です。智頭急行は兵庫、岡山、鳥取と3県に跨がる路線なのです。

ここにも智頭宿という宿場街が置かれていました。

智頭駅前。風情ある街並みが残る。

石谷家住宅

特に石谷家住宅は国の重要文化財に指定された歴史ある建物。昔の国会議員だったお金持ちが立てた家で中には美しい庭園が広がっていました。

この庭園は国登録の記念物にも指令されているそうです。

石谷家住宅 外観
石谷家住宅 外観
石谷家住宅 廊下
石谷家住宅 廊下
昔ながらの囲炉裏が残る
昔ながらの囲炉裏が残る
国指定記念物の庭園。奥には滝が流れる
国指定記念物の庭園。奥には滝が流れる
石谷家住宅の入館料は入館料は600円。住宅内には庭園を眺めるカフェスペースもあった。

諏訪神社

続いて向かうのは諏訪神社。

長野県の諏訪神社の分社?のようで石谷家住宅からは徒歩10分くらいのところにありました。


いかにも田舎のひっそりと佇む神社といった感じ。

昔に植えた紅葉の木が地質がぴったりだったのかよく育ったということで、あたり全面に紅葉の木が広がります。

秋に来たらさぞキレイなことでしょう。佐用の大イチョウと合わせて智頭急行の旅は紅葉の季節がベストシーズンかも知れません。

諏訪神社の紅葉 画像(3/3)
紅葉名所2021|ウォーカープラスより

 

ところで、智頭駅の前のスーパーでこんなものを見つけました。鳥取名物焼きサバだそうです。

鳥取はこんなものが名物なんですか⁉︎初めて知りました…

家に帰ってから食べましたが、かなり美味しかったですよ。川魚(アユやヤマメなど)が串に刺されているのはよく見ますが、サバがこんなふうになってるのはなかなか見た目のインパクトも強いですね。

あわくら温泉駅で下車

あわくら温泉駅

さて、智頭からは3駅ほど戻ってあわくら温泉駅で下車。

ここも特急の止まらない田舎のひっそりとした駅ですが、駅の近くに江戸時代から残る茅葺き屋根の家が残るとかで見てみたかったのです。

駅から歩いて15分程度のところに智頭急行のホームページで紹介されていた景色がありましたが、これ実は今でも人が住んでいる個人宅…

しかも2軒だけ…

たったこれだけのために来たのかよ!と少しガッカリしましたが、田舎を感じられたので良しとしましょう。

玄関の作りが昔の家!という感じで見事だったのですが、さすがに個人宅の玄関は写真に撮れないだろう…と思って撮ってません…
Googleのストリートビューとかで見てみてください…

江戸風封建の香りが漂う古民家です。囲炉裏と古井戸は昔のままで、樹齢300年の巨木群が、茅葺き屋根を彩ります。古文…

※智頭急行のホームページを見ると入館料払えば中にも入れたみたいですね。

スーパーはくとの威力がすごい

スーパーはくと

さて、いまいるのはあわくら温泉駅。上郡から智頭駅までが智頭急行線内です。

帰りは大原まで上ってそこから特急かと思っていたのですが、なんと最短の接続でもあわくら温泉駅を出るのは1時間半後…しかも、家に着くのは23時…

これはやってられないと、一旦逆方向に戻って特急を拾うことを考えます。これが出来るのが乗り放題きっぷの良いところですよね!

すると、あるじゃないですか!良い接続が。

15分後にあわくら温泉を出る列車で智頭に戻り、そこから7分後に発車するスーパーはくとに折り返し乗車する乗り継ぎ。

これなら、家に帰るのも21時ごろになりそうです。

帰るのが遅くなりそうなら姫路までスーパーはくとに乗ってしまおうと考えていたので、あらかじめ上郡から最寄り駅までの乗車券は買ってあります。これも功を奏した!

さっそく爆走気動車スーパーはくとに乗車です。

乗ってまず感じるのは

 

あ…速い…

 

ということ。

さっき乗ったスーパーいなばも特急で停車駅は同じなのですが、冒頭に書いた通り前面形状が悪さして時速120kmまでしか出ません。

対してスーパーはくとは時速130km。車体を傾ける装置が付いているのでカーブでも減速することなく通過していきます。

こんなに変わるものか!とびっくりしました。

 

ちなみに智頭から姫路までの特急料金は1190円。そのうち智頭から上郡までの智頭急行線内が430円上郡から姫路までが760円という内訳でした。

智頭から上郡までの距離は56.1 km。それに対して上郡から姫路までは34.8kmしかありません。にもかかわらず値段が倍近くする特急料金。

JR西日本の特急料金が高いのかはたまた智頭急行が安すぎるのか。

いずれにせよ智頭急行線内で特急に乗るというのはかなりコストパフォーマンスが良いですね。

 

日本の原風景や宿場町の雰囲気が感じられた智頭急行の旅。関西圏にお住まいの方なら日帰りで十分ですし、きっぷも安いのでぜひお出かけしてみてください!

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