今でこそ北海道へは青函トンネルを使った北海道新幹線や飛行機で気軽に行けるようになりましたが、昔は青森から連絡船に乗って函館に入る行き方が一般的でした。
実際に1977年にリリースされた石川さゆりさんの曲「津軽海峡冬景色」では
「上野発の夜行列車降りた時から 青森駅は雪の中 (中略) 私も1人 連絡船に乗り」
と続いていきます。
※青函トンネルの開通は1988年
さて、その本州と北海道の連絡船ですが、なくなったのかと言うと、まだ続いています!
人の輸送は当時に比べるとかなり減ったでしょうが、トラックなどの物資輸送が残っているため廃止するわけには行かないんですね。
(連絡船とは国鉄の列車と一体になって運行される国鉄が運行する”連絡船”という意味なので正確には連絡船は今はありませんが、それでもフェリーは残っています)
2社によって運行中
2023年現在、青森と函館を結ぶフェリーは2社によって運行されています。
1つは青函フェリー。
もう1つが津軽海峡フェリーです。
この2つ乗り比べてみると全く違う側面を持つことがわかります。
今回はこれら2つのフェリーの特徴と違いについて書きます。
船内設備
1番の違いはやはり船内設備です。
そもそも青函フェリーと津軽海峡フェリーは運行目的と主としている客層が異なるようです。
青函フェリーは荷物輸送がメイン。
トラックの運転手と思われる人が多く、実際トラックの台数も多かったです。
毎日の足といった感じなので安く、船内の設備も悪く言えば雑です。
他に特徴的なところとしては、トラックの運転手どうしがくつろぐ「トラック運転手さん専用スペース」がありました。
と言っても4人部屋の会議室のようなものです。
反対に津軽海峡フェリーは旅客輸送がメイン。
旅行者向けに作られているので、座席のランクも4段階あり、とても快適な設備になっています。
どちらのフェリーにもシャワー室はあります。
運賃
津軽海峡フェリーの座席のランクをどこにするかによって差額は変わりますが、運賃は青函フェリーの方が圧倒的に安いです。
とかなり料金が違います。
青函フェリーは1クラス(雑魚寝シート)しかないですが、津軽海峡フェリーの座席等級を上げれば当然これらの差額は大きくなります。
雑魚寝部屋はどちらもカーペットを敷いただけの部屋。
部屋自体は変わり無いので、雑魚寝部屋利用なら青函フェリーの方が安上がりでしょう。逆にいうと津軽海峡フェリーは割高に感じます。
運行頻度
津軽海峡フェリーも青函フェリーも両方1日8往復あります。
しかし、青函フェリーの場合、特定便(危険物積載車両指定便)となる場合があり、その際は旅客定員が変更になります。
利用する場合は事前に確認しましょう。
津軽海峡フェリーの「函館~青森」間の運航時刻をご案内しています。…
青函フェリーは函館と青森を毎日8往復するフェリーです。出かけよう海峡の船旅へ~安くて快適なフェリー旅行をお楽しみいただけ…
所要時間
どちらも4時間程度で変わりありません。
乗り場
青森側から出発する場合は両社の発着ターミナルは隣接しています(青森フェリーターミナル)。
しかし、函館側から乗る場合は注意が必要です。
青函フェリーと津軽海峡フェリーのターミナルは離れています。
自分が乗る船がどちらなのかしっかり確認してから乗りましょう。
↑青函フェリーの函館ターミナルですが、津軽海峡フェリーの函館ターミナルはもっと北側にあります。
結構離れているので要注意です。
なお、両社とも発着ターミナルから主要行き先(函館駅や青森駅など)へは定額タクシーが運行されています。
これを利用するのも手ですが、津軽海峡フェリーの函館ターミナルへは道南いさりび鉄道の七重浜駅から徒歩20分程度でアクセスできます。
また、青森フェリーターミナルへも青森駅前から出ているバスで「新田」というバス停で降りると徒歩10分程度です。
皆さんこんにちはかもめ(@kamomeNo3885)です。 北海道&東日本パスを使って東北旅行をしています。 本日は旅行の3日目。 青森駅前の東横インに泊っていますが、今日はここから青函連絡船に乗って函館に向かいたいと思い[…]
安さなら青函フェリー、快適性なら津軽海峡フェリー
ここまで両社の違いを説明してきましたが、大雑把にまとめると
安さなら青函フェリー、快適性なら津軽海峡フェリーです。
しかし、先述したように雑魚寝部屋ならどちらも変わりません。
津軽海峡フェリーは割高に感じるので、青函フェリーの利用をお勧めします。